あくせいこつ・なんぶしゅよう

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悪性骨・軟部腫瘍

Malignant bone and soft tissue tumor

骨に発生する腫瘍を骨腫瘍,骨以外の筋肉,筋間組織,筋膜,神経などに生じた腫瘍を軟部腫瘍という。悪性骨腫瘍には骨肉腫,軟骨肉腫,ユーイング肉腫,悪性線維性組織球腫などがある。悪性軟部腫瘍には悪性線維性組織球腫,脂肪肉腫,横紋筋肉腫,平滑筋肉腫,滑膜肉腫などがあげられる。

悪性骨腫瘍の中では,骨肉腫が最も発生頻度が高く,小学生から大学生までの若年層に集中する。軟骨肉腫は20歳代から30歳代に多く見られる。ユーイング肉腫は5〜15歳に集中する。悪性線維性組織球腫は40歳代以上に多い。悪性骨腫瘍の好発部位は大腿骨の下端,脛骨の上端,上腕骨の上端で,特に膝関節周辺部位に出現する。初発症状は疼痛が多い。初期は運動時の痛みであるが,徐々に強く持続的になり,安静時にも疼痛を感ずるようになる。腫脹,皮膚の熱感,皮下静脈の拡張や腫瘤を触れる場合もある。診断はX線像により容易になされる。他にCT像,血管造影像,MRI(磁気共鳴画像),骨シンチグラムなどが用いられる。

悪性軟部腫瘍は一般に40歳以上の人に発生することが多い。好発部位は下半身で,大腿,下腿,臀部などである。症状は腫瘤形成で,急速に増大する。腫瘍が神経に生じたり,増大した腫瘍が神経を圧迫すると疼痛を生じる。時に発赤,熱感などを伴う。診断は超音波エコー像,血管造影像などが用いられるが最終的には病理組織学的診断が必要である。

【治療】悪性骨・軟部腫瘍の中には,早期に他の臓器に転移を起こしやすい高悪性度腫瘍がある。転移がある症例では予後も不良となるので早期発見が重要となる。

治療は化学療法と手術療法からなる。手術療法は腫瘍の完全除去を目的とする。腫瘍の状態,化学療法の効果,年齢などにより,患肢温存手術となるか,切断術となるかが決められる。放射線療法が併用されることもある。

【薬剤】代表的な悪性骨腫瘍である骨肉腫ではアドリアシン(ADR),大量メソトレキセート(MTX),ランダ(CDDP)の組み合わせによる多剤併用療法が用いられる。これにオンコビン(VCR),ブレオ(BLM),エンドキサン(CPA),コスメゲン(ACD)を追加したRosenのTプロトコールなどもある。

悪性軟部腫瘍ではCPA,VCR,ADR,ダカルバジン(DTIC)の組み合わせによるCYVADIC療法などが用いられる。

化学療法による副作用には悪心・嘔吐,骨髄機能障害,口内炎などがある。

主要疾患・治療と薬剤ハンドブック(薬事新報社刊)より