あくせいこくしょくしゅ

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悪性黒色腫

Malignant melanoma

悪性度のきわめて高い,黒色の皮膚腫瘍である。メラノームともよばれる。生物学的,病理学的に相異なる数種の型からなる。発生機序は,表皮最下層にあるメラニン色素生成細胞の癌化に由来する系列と,母斑(あざ,ほくろ)細胞の癌化に由来する系列とに大別される。

日本人では前者の系列である末端黒子型が多く見られる。本型は中高年に多く発症し,足底と指爪部に好発する。数年かかって拡大し,その一部が盛り上がってくる。自覚症はない。粘膜や眼などに生じることもある。他に日光によるダメージを受けた顔面に生じる悪性黒子型がある。高齢者に見られるが,発生頻度は低い。後者の系列では表在拡大型が増加傾向にある。比較的若年者の体幹や四肢に好発する。

本腫瘍は転移を起こしやすく,転移すると治療が難しくなる。しかし,早期病変段階で治療を開始すれば予後は良好である。

【治療】病巣の早期広範囲切除が治療の基本となる。病変レベルに応じて,転移と再発予防のため,術後に化学療法を行う。

【薬剤】DAV療法:ダカルバジン(DTIC)5日間連日静注,ニドラン(ACNU)第1日目静注,オンコビン(VCR)第2日目静注,の3者併用療法。

DAV・フェロン療法:DAV療法にフエロンの局所投与を併用する。

CDV療法:上記の療法が無効な場合,ランダ(CDDP)第1日目点滴静注,ダカルバジン第2日〜6日目静注,フィルデシン(VDS)第2日目静注,の併用療法を行う。

化学療法による副作用として,悪心嘔吐,骨髄抑制,肝障害などがある。

主要疾患・治療と薬剤ハンドブック(薬事新報社刊)より